コロナ後遺症

コロナ後遺症

コロナ後遺症とはコロナ感染後、他疾患で説明がつかない数週間以上続く不調です。

コロナウイルスのトゲトゲのスパイク蛋白はACE2受容体経由で細胞の中に侵入することが知られています。そのまさに細胞へ侵入されんとするとき人間側は細胞表面で異物侵入に気づいて、マスト細胞を活性化します。マスト細胞は侵入者があるときの派手なアラートです。マスト細胞が作動するときは炎症反応を起こすので、その炎症を食い止めようとする免疫の力が動きます。コロナのワクチンは遺伝子で半永久的にスパイク蛋白を作り続けて、この炎症と免疫反応がずっと続くことになります。すると、いずれ免疫疲弊という、保身力がない疲れ切った状態に陥ります。

帯状疱疹という病気がこのところ増えています。帯状疱疹のワクチンの話題も耳にしたことがあるかもしれません。これは偶発的に発生したお話ではなく、コロナに関連があります。帯状疱疹とは冬眠状態だった水ぼうそうのウイルスが、自分の免疫が落ちた時に賦活化する病気です。コロナ後遺症では本来の自分の免疫の力をスパイクタンパク対処に使い続けなくてはいけないので、免疫低下になり、帯状疱疹を発症しやすくなります。コロナ禍以前は帯状疱疹の発症は多くありませんでしたが、現在医療の現場では不自然に増えています。またさらに珍しいウイルスの病気、EBウイルス感染やクロイツフェルトヤコブ感染の報告もコロナ禍で増えています。コロナ以前では通常それほど頻繁に遭遇しなかった病気です。免疫低下のせいでこれらの感染が起こっていると言われています。

特にACE2受容体が多い組織、小腸や血管や卵巣や骨髄がコロナウイルスに影響を受けやすいです。免疫細胞が多い粘膜も然りです。

コロナ以前と比べ、月経異常や死産が増えているというデータがあります。スパイク蛋白が精巣や胎盤からも検出されています。

スパイク蛋白は血管内皮細胞に傷害を与えるため、血管炎、血圧異常、血栓、心筋梗塞、脳卒中とも関連します。脳の萎縮や神経細胞にも炎症を起こします。

コロナ後遺症の検査データ

後遺症を疑い検査をしても何も異常がみつからないことがあります。コロナ感染やワクチンの後遺症は気のせいなのでしょうか。正しくは、後遺症はあります。検査法が的確でないから後遺症の証拠が見つからなかったにすぎません。例えば心筋にスパイク蛋白が到達して炎症が起凝ったとしても、血栓傾向の検査、心臓のエコー、レントゲン、CT、心電図で異常が見つかりません。しかし、2022年2月の研究を例に挙げると心臓MRI造影検査において、コロナ感染後も無症状の元来健康な運動能力の高い母集団に心筋の異常所見が見つかっています。この若者たちは将来いつか心臓に負荷のかかる運動をしたときの突然死リスクを抱えてしまっているということです。後遺症には命とりになるものもあることを知っておくべきだと思います。

後遺症外来での検査で異常がなくても、早期の復帰や病態改善のためには、スパイク蛋白の侵入する箇所を狙い、全身に張り巡らされた血管の炎症を軽減し、微小血栓対策を組み合わせ、かつ、免疫調整と炎症対策を行います。

体調不良がコロナ感染やワクチン直後でなくても、長めのスパンで体調の変化を時系列で追ってみると、見えてくることがあります。私の外来では、慢性疲労症候群の悪化、関節炎や頭痛など疼痛の増強、化学物質過敏症の発症が顕著です。これらも的確な診断法でなければ、数値や画像検査では把握しきれません。

コロナ後遺症の陰に隠れた基礎疾患

リーキーガット、ライム病、自己免疫異常など基礎疾患がある方はコロナ後遺症が長引きやすいことが知られています。

コロナ後遺症が治りにくいケースの基礎疾患は慢性の持続性の炎症と免疫異常があります。コロナ感染やワクチンをきっかけに元々自覚していなかった基礎疾患が顕在化することもあります。コロナの後遺症の免疫異常や慢性炎症などの病態生理と重なったり、標的となる臓器が重なると、悪化しやすくなるのです。

基礎疾患の例としては、リーキーガット(腸管透過性亢進)、遅延型食事アレルギー、過敏性腸症候群、SIBO(小腸細菌異常増殖症)、dysbiosis(ディスバイオシス、腸内細菌叢の崩れた状態、腸内細菌叢の多様性がない状態)、リーキーブレイン(血液脳関門の構造が破綻している病態)、水銀、鉛、カドミウムなどの有害重金属の中毒、有機溶剤や化学物質の中毒、カビ感染、消化管カンジダ感染、ライム病の慢性感染、バルトネラ病、バベシア病、マイコプラズマ感染、ピロリ菌感染免疫異常(リウマチ、甲状腺機能異常、シェーグレン、乾癬、クローン病など)、寄生虫感染(アメーバ、ジアルジアなど)、副鼻腔炎、間質性膀胱炎、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、慢性疲労症候群、MCAS(マスト細胞活性化症候群)、自閉症、エーラスダンロス症候群、慢性気管支炎、副鼻腔炎、副腎疲労その他のホルモンのアンバランス、顎関節症、などがあります。

これらは診断を受けていない方も多いのですが、症状でいうと、慢性疲労、全身の痛み、ブレインフォグ、頭痛、お腹の張り、胃腸障害、月経困難症、神経症状、肌荒れなどです。化学物質過敏症や電磁波過敏症も含みます。

つまり、言いたいことは、コロナ後遺症については、症状をとりあえず押さえようと試みる対症療法ではなく、基礎疾患も視野に入れて対策を講じるのが良いということです。放置してもスパイク蛋白が消えるわけではありません。特にワクチン後遺症の場合、遺伝子がスパイク蛋白を複製し続けるので、早く治療を開始します。コロナ感染やワクチン接種は取り消すことができない過去の事柄ですので、後遺症が重い方は、前向きに今できることを体当たりで(だけれども合理的に)先送りせず対処することをお勧めします。

コロナ後遺症治療メニューについては、こちらのリンクを参考にしてください。コロナ後遺症治療メニュー例には、基礎疾患の治療法以外の内容を記載しています。

基礎疾患の治療法は疾患毎の個別の対応になります。

D.R. Lazzaro, R. Ramachandran, E. Cohen, S.L. Galetta,

Covid-19 vaccination and possible link to Herpes zoster,

American Journal of Ophthalmology Case Reports,

Volume 25, 2022

Al-Aly, Z., Bowe, B. & Xie, Y. Long COVID after breakthrough SARS-CoV-2 infection. Nat Med 28, 1461–1467 (2022)

Wisnivesky, J.P., Govindarajulu, U., Bagiella, E. et al. Association of Vaccination with the Persistence of Post-COVID Symptoms. J GEN INTERN MED 37, 1748–1753 (2022)

Reardon S. Long COVID risk falls only slightly after vaccination, huge study shows. Natue. News 25 May 2022. from https://www.nature.com/articles/d41586-022-01453-0.

Algaadi, S.A. Herpes zoster and COVID-19 infection: a coincidence or a causal relationship?. Infection 50, 289–293 (2022)

 Dangayach NS, Newcombe V, Sonnenville R. Acute Neurologic Complications of COVID-19 and Postacute Sequelae of COVID-19. Crit Care Clin. 2022 Jul;38(3):553-570

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